↓ 下駒で傷ついた部分。
↓ 玉結びした部分。
津軽三味線を構える時に、3つの垂直を意識すれば良いのかなぁと思ったのでメモします。
1の垂直は、両モモをひらく角度が90°かな。
2の垂直は、ドウをモモに垂直にのせてからワキにもたれ掛けさせるときに三味線が回転しますが、その回転軸とモモのなす角度が90°かな。(上図では回転軸がかなり上に描かれてますが、モモからドウへの力点を回転軸は通ると思います。)
3の垂直は、ドウにおけるワキからの力点とモモからの力点を結んでできる直線(もう少し正確に言うと、力点を結んでできる直線の大腿骨の長さ方向を法線とする平面への射影)が地面となす角度が90°かな。
ちなみに、力点を結んでできる直線とドウの対角線は平行をなすかな。
以上の3つの垂直と1つの平行を意識して構えてみます。
ドウを肘と脇腹で支える感覚がわからなくなってきて迷走しました。
なので、いったんドウ掛けを外してから三味線を構えて弾いてみました。
通常と違う感覚を感じました。
改善のヒントを得られたような気がしました。
イトを切る時には、バチ先はイトから張力を感じます。その張力が、バチ先の前後(上駒側と下駒側)で違うのではないかと思ったのでメモします。
イトが伸びた時に生じる張力と伸び量には比例の関係があり、その比例係数をkとします。
イトとタイコのなす角度をθ、バチ先でイトに生じさせる変位をs、バチ先がイトから受ける張力をT1,T2とします。
このようにしてT1,T2の値を計算してみると、T1 > T2となり、バチ先にかかる張力は前後で違うという結果が得られました。バチ先の下駒側にかかる張力の方が大きくなるのです。その張力の差は上式のようになりました。イトが太いほど(kの値が大きいほど)、変位量sが大きいほど、下駒が高いほど(sinθが大きいほど)、差分は大きくなるとこの式は示しています。(この式に信憑性はないですが。)
また、開放弦をうしろバチで鳴らした時に、張力の差分が最大になります。ですから、この差分が、バチ付けの第一音を失敗する要因の一つになるのではないのかなぁ。
↓以下、上式の導出過程↓
下駒からバチ先がイトに触れる位置までの距離をl1バチ先が触れている位置から上駒にかかっている位置までのイトの長さをL1とします。
バチ先でイトを変位させたのちの、バチ先から下駒にかかっている位置までのイトの長さをL1‘として、変位量ΔL1をもとめます。
バチ先でイトを変位させたのちの、バチ先から上駒にかかっている位置までのイトの長さをL2‘として、変位量ΔL2をもとめます。
T1とT2の差分ΔTをもとめます。近似のさいに消した項が、開放弦をうしろバチで鳴らした時に、張力の差分が最大になる要因の部分です。(言い訳→結果の式を綺麗にしたいがために強引な近似をして消しました。)
三味線を構える時、三味線を仰向けに傾ける角度は転倒角よりちょっと大きいのが良いのではないかと思ったのでメモします。
三味線を傾ける角度 > 転倒角
が良いと思います。
上図の視点でドウをみて考えていきます。
地面に垂直な平面から仰向けに傾く角度をθとします。
ドウの太腿に接する点をPとして、ドウが回転する中心と考えます。
そして、傾ける角度を0からちょっとずつ大きくしていくと、三味線にかかる重力mgの作用線がちょっとずつPに近づいていき、ある角度φでmgの作用線がPを通るようになる。その角度が転倒角です。
θ < φ の場合は、三味線は自重で立つ方向に倒れようとするので、構えるのには不安定だと思います。
θ > φ の場合は、三味線は自重で仰向け方向に倒れようとするので、構えるのには安定だと思います。
Pを中心とした、自重による回転モーメントを脇から加える回転モーメントで支えることになるので安定するのだと思います。
ちょっとずつθを大きくしていけば、ある大きさでフッと三味線が自重で倒れこむ方向が変わるので、転倒角は見つけやすいと思います。